美容外科手術でトラブルを避けるために86

さあ、患者さんと術前にとことん話し合って非侵襲的治療ではなく本格的な切開によるフェイスリフトに決まったとして、次は引き上げのバランスを見てもらいながらどこまでの範囲を引き上げるかをきめていくことになります。

もちろん主体になるのは「頬フェイスリフト」で、今まで書いてきたようなSMAS弁を使用した斜め上方に引き上げる方法で口元のたるみを解消します。

その時に見過ごされがちなのは、垂直方向のたるみです。

耳の前で皮膚を斜め上方に引き上げたときに、ほほの前面にハンモックのようなたるみによるしわが目立つようであれば間違いなくこの方向のたるみがあります。

つまりたるみは「あらゆる方向」に生じているにも関わらず、ある一方向だけに強く解消すると、ほかの方向のたるみが途端に露わになってくる場合があるのです。

もしフェイスリフトを高い次元で成功させようと思えば、こういった患者さんが予想しなかったたるみまでカバーするような方法を提案しなければいけません。

上記のようなケースでは、下眼瞼切開かそれをさらにすすめたミッドフェイスリフトまで行う必要があります。

術後にトラブルをなくすということは、時に患者さんが考えているよりも大きな手術をする必要があり、患者さんの提案をそのまま請け負ったり縮小するばかりではないことを知っておきましょう。

名古屋の美容外科・美容皮膚科
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