表情筋のバランス

ボトックス注射はいろいろな意味で画期的な美容治療手段です。

従来美容外科で行われてきた治療は、基本的に「静的改善」でした。

表情のない状態で若々しくきれいに見えることが治療の目的であり、結果になります。

つまり表情を作ったときにどのような状態になるかは、考慮されていません。

以前他クリニックで下まぶたの若返り目的の下眼瞼切開をお受けになった患者さんが、笑った時に怖い顔になって困ったという訴えを聞いたことがあります。

表情をつくらなければ若々しい下まぶたであることは自覚されていました。

このように美容外科手術は表情の動きを計算に入れて手術するのは非常に難しいのです。

そのなかでボトックスは表情の動きを制御して治療効果を出すという点が今までの美容治療と根本的に違うところだと思っています。

ボトックスの治療効果を確実なものにするためには、顔面にある表情筋の解剖学的位置関係と動的なバランスを知って治療する必要があります。表情筋についてはこちら

表情筋には動きが拮抗しているものがあります。お互いにひっぱりあってバランスをとりながら微妙な表情を作り出しているのです。

数ある表情筋のうちどれかひとつでもボトックスで動きを止めてしまうとそのバランスが崩れ、全く予期せぬ治療効果が出ることがあります。

たとえば皺眉筋と前頭筋は拮抗していてどちらか一方を止めると片方の働きが相対的に強くなります。

これは、ボトックスが筋肉内にきちんと注入されているという前提で起こりますので、ボトックスが効いていないほうが皮肉にもかえって表情のバランスを崩す可能性が少なくなるということが起こりうるのです。

名古屋の美容外科・美容皮膚科
八事石坂クリニック

八事石坂クリニックは愛知県名古屋市にある美容外科・美容皮膚科です。
2008年に八事駅徒歩1分の場所に開院し、おかげさまで13周年を迎えました。

名古屋駅前院 052-589-1382/八事院 052-861-1929
【受付】月曜~土曜 9:30~18:30

2 thoughts on “表情筋のバランス

  1. アップル より:

    大口先生 いつもブログ拝読させて頂いております。
    先生が東京のクリニックで働いてらっしゃる時に一度カウンセリングをして頂き、
    そのうちお願いしたいと思っていたらクリニックをお辞めになってしまい・・残念に思っています。
    ところでこのボトックス
    先日行った東京の某美容クリニックの受付の方がまさに表情を作ると怖い顔になっていました。
    ご自身は無表情の自分しか鏡で見てないので分からないでしょうけれど
    笑ったりするととても不自然な表情で目が変につり上がり鬼のような形相になっていました。
    その女性の表情を見て、そのクリニックでの施術をやめたのは言うまでもありません(笑)
    先生のブログ
    これからも楽しみにしていますので
    どうぞ更新よろしくお願いします

  2. コスメティック・ウィザード より:

    アップルさん
    コメントありがとうございます。
    ボトックス注射による治療は一般的になってきていますが、まだまだ奥が深いものがあります。アップルさんの判断は正しかったと思います。
    ボトックスの弱点は、いったん効いてしまうとその効果を弱める手段が「時間を待つ」しかないことです。
    今後も診療の合間にふと気付いたことをできるだけわかりやすくブログに書いていければ、と思っています。
    よろしくお願いします。

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